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大相撲力士群像 見どころ紹介2

2020年11月7日 18時56分

2つの神社が受け継ぐ

 相撲は神事であるー。しばしば耳にするこの言葉を象徴するような祭礼が宇佐神宮に伝えられています。宇佐神宮最古の祭礼といわれる放生会です。

 放生会は、通説では720(養老4)年に始まったとされ、本年は創始1300年の節目の年となります。この年、南九州で隼人の反乱が起き、その鎮定に八幡神が軍神として寄与します。そのときに多くの「殺生」が行われたので、八幡神は応報として生きものを放つこと、つまり「放生」を行うことを神託したというのです。

 かつてこの放生会において、相撲が奉納されていました。宇佐(八幡神)と日向(隼人)に分かれ、10番の取組が行われたようです。相撲の奉納は、今は行われていませんが、この祭礼に古くから関与する二つの神社によって受け継がれています。それが神相撲です。

 放生会にかつて2隻の船が出仕し、傀儡子(操り人形)による舞を奉納していました。船を出すのは八幡古表神社(福岡県吉富町)と古要神社(中津市)です。これは八幡神が隼人の反乱を鎮定するときに、傀儡子の舞によって敵を惑わしたという故事にちなむものです。今は両社が船を出すことはありませんが、傀儡子の舞は継承され、それぞれの放生会において披露されています。

 その中に、神名を付けた傀儡子に相撲を取らせる神事があります。これを神相撲と呼び、祭礼の目玉となっています。八幡古表神社では22体、古要神社では30体の傀儡子が東西に分かれて取組を行います。八幡古表神社でいえば、まず個々による勝抜相撲があり、続いて西方の住吉大神に東方の5神が挑む飛掛相撲があり、最後は住吉神社に東方の全ての神が一斉に挑む押合相撲があるといった展開を経て、住吉大神が全てに勝利して圧倒的な強さを見せるといった結末を迎えます。このような傀儡子に相撲を取らせる神事は、他に例を見ない非常に珍しいものです。(県立歴史博物館学芸調査課長村上博秋)

▽特別展「大相撲力士群像 -相撲の歴史と時代のヒーローたち-」は宇佐市高森の県立歴史博物館で29日まで。観覧料は一般510円、高校生・大学生310円。中学生以下と土曜の高校生の観覧は無料。